第9章 reunion
『え?』
「いや、いつもより顔が赤いというか…一心サンと別れるまでは気付かなかったんスけど…」
『うーん…さっきから頭回らないなぁとは思ってたから…あるかもね』
「いや、あるかもねじゃないっスよ。」
『大丈夫よ。さっきからちょっと寒気してるくらいだし』
「いや今夏っスよ?いくら9月と言えどまだ暑いんスけど…」
『そう?』
「………今すぐ帰りますよ!!」
喜助はそう言うと私を横抱きにする
『へ?』
「無茶しないって言ってたのに何やってんスか…」
喜助にため息をつかれる
いつの間にか浦原商店に到着した
「テッサイさん!」
「どうしましたか店長……水無月殿、氷枕と冷えピタを用意しますぞ!」
そう言ってテッサイが走っていった
『え、そんなにやばい?』
部屋の布団に寝かされ、熱を測る
38度6分
『これくらいならまだ平気…』
「大人しくせんか。」
夜一が氷枕と冷えピタを持って来た
「夜一サン」
「喜助、あとは儂にまかせろ」
夜一がそう言うと喜助が部屋から出る
「大人しくしててくださいね?お大事に」
それだけ言い残して行った
「さて、少し頭を上げてくれんか」
そう言われ、少し頭をあげると氷枕を置いてくれた
冷えピタは自分で貼る
これを貼るのは嫌いだ。最初に冷えすぎて頭がキーンとなるから。
ただ、貼らないと殺されそうなオーラが出ていたので仕方なく貼った
「疲れが溜まっとったんじゃろ」
『天示郎の湯殿で大分疲労回復もしてたと思ったのになぁ』
「たった数時間では回復せんわ」
『でも、烈に言われて五日間も安静にしてたんだよ?』
「今まで働いた分に比べれば少ないじゃろ」
『…確かに』
「とにかく、今日はもう寝るんじゃな。明日は学校も休め」
『……うん。』
「…やけに素直じゃな」
『風邪だったら困るし、みんなに移す訳にもいかないからね』
「そうか。しっかり寝るんじゃぞ」
夜一はそれだけ言って部屋を出て行った
正直言って、休めるのはありがたい
真子に会わなくてすむ
別に真子のことは嫌いでもない
ただ、気まずいだけ。それだけだ
私はそのまま眠った