第1章 満員電車で✖️✖️ 「ロウレス」
ガタン…ゴトン…ガタン…ゴトン
〇〇「ぎゅうぎゅう…本当に満員だね…ってきゃっ!!」
〇〇がバランスを崩したところを抱きとめる。
ロ「っっと! 大丈夫っスか…?」
流石、満員電車。混雑具合が尋常じゃない。
〇〇「う、うん!あ…ありがとう!」
と、〇〇が照れ笑いを浮かべて髪を耳にかける。
その仕草に正直グッときた。
そ、そうだ。はぐれたら大変っスね。
だから…‼︎
ロ「…離れちゃダメっスよ。」
と、満員なのを口実に指をぎゅっと絡めた。
今日は、〇〇と出かけていて、まぁいわゆるデートをしていて、今は電車で移動中。目的地まで一緒にのんびり行く。
…予定だったんスけど。
あいにく電車がこの満員電車で行くしかなく、のんびり話どころではない。
そしてこの状況で思ったことがあった。
ーこの近さはヤバいー
動く度に揺れるしなやかでさらさらな髪。
その髪が揺れると同時に仄かに香るシャンプーの香り。
電車の振動で爽やかに揺れる涼しげなピアス。
横顔からだとより映える長い睫毛。
上唇と下唇が擦れる瞬間にわかる唇の柔らかさ。