第1章 ミスの責任
本当は…気づいてたけど、
違う違うって何度も
頭から消していた。
カカシの抱き方が
性欲の為に抱いてなかった。
自分勝手な抱き方じゃなかった。私の反応をずっと気にしていた。
好きじゃないと
あんなに恋人にするように優しく抱かない。
あんなに愛しそうに髪や身体に触れない。
あんなに好きだと何度も呟かない。
あんな愛しそうな顔を
して抱かない…
あんなに愛しく何度も
私の名前を呼ばない…
嬉しそうに私に
触れる彼を思い浮かべていた。
全部、
好きだから、だよね。
私を…。
それは私も同じ。
好きじゃないと、…無理。
「ごめん、避けて…。
傷ついたよね?」
彼の手を、私は握り返した。
彼は、安堵したのか、
ため息をつき、
ゆっくり抱き寄せられ、キスを優しく交わした。
「がいいんだ。
他の子じゃダメなんだ。」
そう呟いて私を見つめている。
彼の顔が、
少し赤く頬を染まっている。
私は、つい、
ふふっと笑ってしまった。
(ああ、なんか可愛い…)
私の考えている事が分かっているのか、少し悔しそうな顔をしている。
「もう…ズルい。絶対俺にな
しじゃ生きられない身体にしてやる。っていうか、離さないからね、ずっと。」
…ん⁉︎なんか今
さらっと凄い事言ってない?
「好きだよ、」
「うん、私も好き。
ありがとう。」
優しく笑う彼が甘く呟く。
「もっとしていい?」
私はその言葉に
笑みをこぼし
小さく頷いた。