第11章 【番外編】マツノトクエスト 第十章
「くっ!! むっっ……かつくー! おい、起きろ! 逃げないとまた炎攻撃くんぞっ」
「………ォエェェェェ………へ?」
「魔王様の敵を排除するヨ~ン!!」
【 デビルダヨーンの攻撃 デビダヨ は炎を吐き出した 】
━━━━━━━━━━━━━━━ボォオオゥッ
「ギャアアアアア!」
「━━━━━━━ナス子! 危なーいっ、熱っつぅ!!」
起き上れないままの私を庇い、カラ松が私に覆い被さるように敵に背を向ける。
その事で敵の攻撃がモロに的中してしまう相手の体を慌てて支える。
「か、カラ松!! 背中……っ大丈夫?!」
「ノープロブレムだ。 俺は耐久力が高いんだ、これしきの事……くっ」
ヤバイ、私、今完全にお荷物だ。
おそ松やカラ松はここに来るまで私に酷い扱いしたり、酷い仕打ちをしてきたりしてたのに、今は一生懸命自分を守ろうとしてくれている、とても珍しい事に。
いくら耐久力が高いとしても、背中の火傷は痛そうで地に片足をついてしまうカラ松。
私のハリセンも届かないし、どうすれば……。
「グホォ! ……もしゃもしゃ、回復したぜぇ」
「よし」
さっき適当に積んだ薬草を無理やりカラ松の口に突っ込んで回復させながらふと胸元に入っている酒コレクションが目に付く。
薬草もいくら持っていたとしても限りがある。
おそ松が一行にツボを投げてデビダヨに避けられる中、カラ松は悔しそうに自分のコレクションの酒を握り絞めた。
「…………か、カラ松!」
「んん? どうしたナス子」
お酒=アルコール。
って事はこれはイケるかもしれない。
「おそ松! あのモンスターちょっと引き付けてて!」
「えぇ、何で俺が……こんだけやっても攻撃届かないってのに!」
「頼んだよっ、勇者様!!」
おそ松にデビダヨの注意を引いてもらう事にして今のうちにと二人でトド松のいる安全地帯に走る。