第1章 【番外編】マツノトクエスト 序章
「いや、違うでしょ。コイツがこんな時間に来るなんて絶対何かあるからに決まってるって。あー、ヤダ、嫌な予感しかしない!」
朝からのデカい声に呆れ、目を細めて面倒臭そうな顔をする緑のパーカーに、中にはキッチリと白シャツを着こむへの字口の男。
松野家三男、松野チョロ松。
ナス子にとっては幼馴染でもあり同じ趣味を唯一共有できる親友的位置にもいる人物。
口を開けば説教の多い男だが、面倒見がよく相談やアドバイス等でいつも助言をくれている、が、この口の多さが原因でおそ松の次にナス子と口喧嘩をする事が多い。
ライジングチョロシコスキーとして7人の間で知られている彼は、たまにおかしな行動や言動に走る事があり若干面倒臭いし神経質だ。
「朝から鼓膜破けるかと思った……朝なのにテンション高いのなんで?
しかもなんか……お洒落してるよね、いつもの恰好の方が身の丈に合ってていいのに」
普段のナス子の服装、適当なパーカーに適当なスウェット。
皮肉な口を開く紫パーカーで常に目が気だるそうにしている相手は、擦り寄ったミケ子を膝に乗せて手で優しくその頭を撫でている。
松野家四男、松野一松。
ナス子と共に住むミケ子を連れてきた張本人であり、今は世話係としてナス子のマンションに行き来している。
あまり素直でなく皮肉な事を言う事も多いが六つ子の中ではまだ常識的部分もありナス子に説教をする事もあまりない為、同じ空間にいても気にならない楽な相手である。
たまにSスイッチが稼働し暴走気味になる事もあるのだが、基本はネガティブのマイナス思考の持ち主。
そこがまたナス子との共存に繋がっている。