第35章 第三十四章

「ナス子」

「な、なに？やっぱり戦うとか言うのはナシにしてよ！？」

「……しないしない。それよりも少し目、閉じてくれる？……口も」

「ええ？戦わないとか言いながら実は殴る気じゃ？！」

「違うって言ってんだろ、いいの？早くしないと俺の気が変わるかもよ」

　それは困る！
　殴らないなら他に何をされるのだろうか、とにかく覚悟を決めて私はギュッと目を閉じた。

「…………」

　また沈黙。
　だが視線を感じる気がしてちょっと気まづい。

　うー……、何か言ってくれぇ。
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