第35章 第三十四章
「仲間になってほしい?」
「そりゃそうだよ、今までの私達を見てたらわかるでしょ?一松の事も探してたし」
一松を引っ張る手に心なしか力が入る。
もう一松とも、皆んなとも離れるのはごめんだ。
ていうかね?
もうぶっちゃけ面倒臭い!期待したゲーム世界と全然違うんだもん!
おっといけないいけない、つい本音が。
いや、口に出してもいいくらいだけど。
「……わかった」
「ほんと!?良かっ」
「その代わり」
「?」
「条件くらい出してもいいよねぇ?」
私が安堵の言葉を出そうとした最中、言葉を遮られ一松の顔がニヤリと悪い顔に変わる。
なんだか嫌な予感がするんですけど。
「条件?……ハッ、まさかお金を寄越せとか言わないよね!?私お金なんて全然持ってないからっ」
六つ子と言えば、金、酒、女のどれかだろう。
この中で1番可能性が高いのは金だろうと推測する。
けど一松は首を横に振ってそれを否定した。
「え、お金じゃないの?」
「ハズレ」
お金じゃないということは酒か女か!
「はい、どっちもハズレ」
「まだ私なにも言ってないんだけど?!」
「言わなくたってだいたい想像はつくから、ナス子だし」
う゛……見透かされてる。
長い付き合いだし私も単純脳だから余計にわかりやすかったかな。
「あ、わかった!猫関連で何かあるんでしょ」
「それも捨てがたいけどハズレだね」
え〜、これはかなりの確率で当たりだと思ったのになぁ。
他に何かあるか目を瞑って天井を仰ぐ。
「…………」
「…………」
館の中に沈黙が訪れる。
考えてても仕方ないしここはもう頼み込んで教えてもらおうか、なんて思ったら一松と目があった。
じっと無言で見られていたんだなと思うとちょっと恥ずかしい。