第35章 第三十四章
「いやいやいやいやいや、そんなんで納得出来ないって!だってずっと見てたんでしょ?何か理由があったから出てこれなかったって事?」
「…………まぁ、別にいいか、もう俺達が最初に与えられた役割を知ってるよね。長男以外だけど……つまり、そういう事」
ぐぬああああああ、何で謎解きみたいになってんの!
つまりそういう事とか言われてもわからんもんはわからん。
ここで食い下がったら有耶無耶に終わってしまう、勿論食い下がりませんけどね私は。
「つまりそういう事とは? はっきり言ってよ。アホだからわかんないよ」
「へぇ、自分がアホってちゃんと理解してるんだね、偉い偉い」
言いながら棒読みのようにそう言われてパチパチと手を叩かれてしまった。
「じゃなくってええええぇ、引っ張らないで教えてってば!気になるでしょ」
「気になる?そんなに俺に興味があったの、ナス子」
「あるに決まってるでしょ?幼馴染だもん。はぐらかしてないで教えてってば」
全くこの四男は捻くれてるよね。
意味わかんない謎かけしてくるし話を伸ばそうとするし。
まぁある意味全然変わってなくて安心もするけどさ。
大事な存在には変わりないから私も諦めないで理由を聞いてるんだけど。
「言ってもいいけど怒らないって約束できる?」
「怒る?なんで私が一松に怒るの?まぁ、ずっと見てた癖に姿を現さなかった事にはちょっとムッってしてますが」
「それにも理由があるんだって」
「どんな理由?」
「俺が魔王の部下だって事」
へー、一松って魔王の部下だったんだぁ。
じゃあカラ松達と同じじゃーん……………………って、待てぃ!!
「ちょ!!ま、魔王の部下?!」
そんな事をカミングアウトされて私は反射的に、下がれるだけ下がって一松との距離をとりハリセンに手を添える。