第34章 第三十三章
━━━━━━━━━━数時間後
「何故だ!何故フラグが立たないんだ」
「へ?」
フラグとは何を言っているんだろうか。
あれから二人で部屋の中を散策してたんだけど、急に頭を抱えてそう叫びだすイケメンに首を傾げる私。
確かに彼の言う通りフラグらしいフラグは立ってない。
っていうかわざわざそんなフラグ意識とかもしてなかったけどさ。
この人どうかしちゃったんだろうか。
本棚とか調べたりする時、手が届かないからその辺にあった椅子に乗って高い所の本を自分でとったり、落としてしまった回復薬を拾おうとしたらイケメンもそれを拾おうとしてくれてて、ふとした瞬間手が触れる……なんて事はなく互いのデコをぶつけちゃったりとかしたり……
なんかフラグが立ちそうなそれっぽいのがちょくちょくあったような気もするけど一つとしてゲームのような展開にはならない。
所詮はゲーム世界の中でも現実ってやつだ。
そういえば━━━━━━━━━━
【 イケメン の 攻撃 気を利かせて 本をとろうと背後に立つ 】
━━━━━━━━━━回避
【イケメン の 攻撃 さりげなく 手と手が触れ合いそうになる 】
━━━━━━━━━━回避
…………………いちいちこの人の行動に攻撃の文字が浮かんでいた気がする。
めちゃめちゃ怪しい。
この人ってただのイケメンじゃなくって、もしかしてもしかしなくても敵なんじゃ?
「フラグってなんの事ですか?それにさっきから上に出て来る攻撃の文字といい……もしかしてアナタ」
後ろに引っ提げているハリセンに手を添え、距離をおこうとした瞬間、私よりも早くイケメンが動きだした。
「………くっ、バレたか!かくなる上は!!くらえっ」
「うわっ!!なに?!何かが目の中に入って目が痛いっ」
「何かが目に入ったのかい?!大変だっ、私が見てあげよう」
急に目の中に違和感を感じて目を擦ると、見えない相手がコチラにこようとしている声がする。
「あぁ、乱暴に擦ったら目が可哀想だよ。大人しくして」
【 イケメン の 攻撃 優しさの 至近距離 】
「いや、今更騙されるかーーーーい!!!」
【 ナス子 の 攻撃 ナス子 は ハリセンを振り下ろした 】