第32章 第三十一話
「いゃった♪また勝っちゃった!!これで倍ね、おじさん次負けたら後がないんじゃないの?へへっ」
「ぐぬぬ……やるな兄ちゃんだか姉ちゃん……」
トド松の装備のせいか、女だか男だかよくわかってはないらしい。
まぁそんな事はどうでもいいけどトド松は勝負に勝ってるみたいで安心した。
やらないにこした事はないけどさ。
「コルァ!!トド松ぅっ、お前も何やってんだ、アーン?!」
だから何故チョロ松がそこで一番キレるのかと、やっぱり突っ込むのもアレなので見てるだけだけどね。
私も一人一人に突っ込んでたら疲れて身が持たないし、チョロ松に任せられるなら任せちゃおう、ライジングシコ松だけども。
「待ってよチョロ松兄さん!おそ松兄さんはともかくぼくは勝ってるんだしちゃんと旅の資金を増やそうとしてるんだからいいじゃないのさー!それにお金があればもっと色んな人に聞けるし、猫探しを雇う事だって出来るんだよ」
「「「「…………それだーーーー!!!」」」」
なんでその思考に気付かなかったんだろう、お金に目が眩んでたとか言ってたけどまだ眩んでいたのか。
もしこれがトド松がギャンブルに走った逃げ文句だったとしても、とても正当な言い訳じゃないか!
「トッティ凄い、よくそんな理由が浮かんだね」
「まぁ、ぼく姉さんや兄さん達みたいにウンコな脳みそしてないから」
とうとうコイツ私の事までウンコって言い出したぞ、強ち間違ってないから文句言えないけど悔しい……。
「それで、猫の件なんだけど」
それでも何か言い返す言葉はないかと考えていると、続けてトド松が口を開く。
「この場の人達の中で知ってる人はいなかったね。おそ松兄さんはずっと賭け事してて遊んでたけど」
「トッティ、そゆこと言わないで?!そこは言わなくてもいいヤツっ」
サラっと長男の働きぶりを暴露し、トド松が調査報告をしてくれる。
こういう場所が一番情報飛び交いやすそうだけど、さすがに動物の情報まではないかぁ。
全員がまた集まったものの、結局振り出しに戻ってしまった。