第32章 第三十一話
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村の人に賭博場を聞いてやってきた私達、一際大きな声で騒ぐ一角を見るとやはりおそ松はそこにいた。
「さすがおそ松だ、期待を裏切らないな」
「関心してる場合じゃないでしょカラ松、早く捕獲して猫探し行くよ!」
「ったくどこにいてもしょうもないな、うちの馬鹿長男は」
チョロ松、お前が言うな。
そんな突っ込みの声をかけたくなるけど今は喧嘩になるのも避けたいし早々におそ松を捕獲しようと声をかける。
「おそ松、こんな所で何やってるの!いや、何やってるかはわかるけど!」
「どわっ、ナス子! 何故ここに?!あはは、見つかっちゃったかぁ」
私達がジっと細目でおそ松を見ると、おそ松はビックリしたけど悪びれる様子もなくケロっと頭の後ろをかいている。
「いやーさー……猫探ししてたらたまたまここに行き着いたっていうの? ほら、ここも人いっぱい来るだろ?だから俺はここで情報収集を……」
「言い訳しても無駄なんだからね、ったく……お金まで使っちゃって勿体ない……いくら減ったの?」
「ちょっと待って!なんで俺が負ける前提で話を進めてんのっ、負けてるけど!!」
「だと思った、こんな事してないで早く行こ。カラ松、頼んだ」
「ああ、行くぞおそ松」
「ああああ、もうちょっと!あと少しだけええぇ」
どうせ賭博なんてやったって負けるに決まってるって思ってたら案の定負けていたらしい。
早めに見つけておいて良かった、このまますっからかんにされたらたまったもんじゃないし。
カラ松が力づくでおそ松を引っ張ってくれて、賭博場から出て行こうとした時、また大きな歓声が起きる。