第32章 第三十一話
「なんかごめんカラ松」
「ん~?何を謝るんだナス子」
「いや、なんか割としっかりしてて」
カラ松ってイタイ所もあるけどこういう所もあるのすっかり忘れてたな。
イタイを抜かせば真面目でシャイボーイだもんね、もっと優しくしてあげよう……出来たら。
「これも駄目元で聞くんだけど情報は何かあった?」
「いや、今の所誰も俺に話しかけてこないな」
「そりゃ、そうでしょ。いくら勇者一行の一人でもこんな恰好のヤツが一人で何も発せず立ってたら」
「待ってチョロ松、それ以上言わないであげて……!」
チョロ松の言いたい事もわかるけど一応頑張ってるカラ松を擁護してしまいたくなってしまう。
それに可愛いメイドさんがいる店にずっといたチョロ松よりはまだマシなんだからねっ。
「それにしても私達三人集まって情報はまだゼロかぁ、おそ松とトド松はどうなんだろう……」
どうせおそ松なんかはどっかでなまけてて、トド松は可愛い装備を見に行ったり可愛い女の子と友達なんかになっちゃって……
あれ?最初から想像ついてたのに何で私は個人で行かせたんだ。
今更ながら馬鹿だったなぁ。
「ごめん、私が馬鹿だったよ二人共」
「「?」」
私が思ってる事など伝わる訳はなく、二人の頭の上には?マークが浮かぶ。
「おそ松とトド松を探しに行こう、ほら、えっと……」
私が言うよりもこの二人だってここまで言えば当わかるハズだ。
特におそ松が真面目に情報収集なんてするハズがないと。
「ごめんナス子、そういえばおそ松兄さんが素直に役に立つはずがなかったよね。勇者って言ってもアイツ馬鹿長男だったわ」
「トド松はまだいいとしておそ松だしな、勇者だったとしても」
今日一番、私達三人の心が一致した気がした。
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