第30章 【番外編】マツノトクエスト 第二十九話
「討伐ご苦労様でした、凄い凄い。よくやった」
労いの言葉をかけるもその言葉には悔しさが入り混じり若干棒読みになってしまう。
でもちゃんと心の中では褒めたからいいよね?
「なんだよ、もっと他に言う事ないの?!俺達のこの成長っぷりにさぁ」
「凄いとは思ったけど素直に褒めると調子に乗るから淡々と褒めました」
「もうそこまで口に出してるんなら素直に褒めてもよくない? ねぇ」
おそ松とチョロ松が不服そうに言う中、逆にどんどん置いてかれた私は戦闘にも入れなかった分口を尖らせる。
「あ、また可愛くない表情してる」
「うるさいトド松、私だって置いてかれさえしなきゃ一緒に倒したし!」
「フフン、俺達だけで倒してしまったのが気に入らなかったのか、ん〜?逆に考えて余計な事はせずに済んだのだから喜べばいいものを……素直じゃないぞシスター」
「ぬぬぬぬぬ……」
「どうせ出来る技って言ってもイケメン召喚とランダム召喚だけだしね、ナス子姉って。戦闘中にランダム失敗されても迷惑になるし、イケメン召喚してMPなくなってヘバられてもぼくらが背負う羽目にになるから結果良かったんじゃないかなぁ」
く、さっき優しいって思ったけど図星でもあるけど……やっぱ悔しい!!!
その私の悔しい顔がバレていたのか、全員がドヤ顔、ニヤつき顔で私を囲い見てくる。
なんで現実だとあんな頼りになんないのにゲーム世界では頼もしくなっちゃうの?!
ちょっとだけクズでアホでどうしようもないニート共を呆れた顔で罵倒したくなってきたわぁー……。