第30章 【番外編】マツノトクエスト 第二十九話
「あ、あそこ!! なんか光ってる場所があるよっ」
た、助かったぁ!!
きっと目指していた泉じゃないだろうか。
距離的にもこのくらいって言ってた気がするし、大きな声を出し、視界の先に光るものを見つけて指を差す私。
良かった、無事についてくれて。
なんたって日頃の恨みを晴らすべくまだ私の事をからかいたそうな弟達に囲まれてるからね。
「お、ホントだ!!」
おそ松が思惑通り目を輝かせて湖の光の方向を見ると、他の皆も同じように視線をそっちにうつす。
「良かったね、ナス子姉。歳よりの身体にはキツイでしょ? もう少しの我慢だよ」
「あぁ、苦労をかけるねぇ……じゃない! 年寄じゃないし! 年上なだけだからっ」
ぷぷっと笑うトド松を睨んだ先を見ると、カラ松以外はまた先に走り出して行く。
「だから、足が速いんだってば」
急斜面は終わり、土や草、ツルなどで地面はあまり綺麗とは言えないがふんばるよりはまだコチラの方が楽。
今度こそ後れを取らないようにと、カラ松とトド松が私の近くを歩いてくれる事にまた感謝しながら、泉を目指し歩いて行くのだった。