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【おそ松さん】マツノトクエスト

第29章 【番外編】マツノトクエスト 第二十八話



 部屋の中はあまり広くなく、仕方がないので私達の盗賊の3人はテーブルクロスが長めに引いてある狭い机の下に密着して隠れる事となった。

「あ、ちょ、ちょっと待って下さいね!! 今仕度整えますからっ」

「わかりました、ではお待ちしてます」

 机の下、カラ松とトド松に挟まれて熱いし皆汗かいてて肌がくっつき合うので気持ち悪い。
 特に綺麗好きなトド松なんて一番嫌なんだろうな、なんて思っていたのに、何故かカラ松とトド松は私を真ん中に庇うように二人が胸の中に隠すよう小さく縮こまっている。

「ふ、二人共……そこまでしてくれなくても大丈夫……ってかギュウギュウで息が苦し」

「シィー……姉さんもう少し声のトーン下げて…一応ナス子だって女の子なんだからこういう時こそ守らせてよ」

「そうだぞナス子。おそ松は無理だったようだが安心しろ、お前の事は俺が守ってやる」

「うわぁ……カラ松兄さんと台詞がちょっと似てるのがショック~」

 お前らも静かにしなさいと言いたい所だが、こんな密着してしかも頼れる人みたいに見えてくるのが不思議だ。
 いやいや実際普段から頼ってる所もあるんだけどね? 
 でも迷惑かけられる方が多いし、何て言うか……私の事一応女子として本当に見ていたんだなと意外だ。

 コクリと頷き、私も心臓をドクドクと脈打たせながら息を潜める。
 ていうかこの二人ってこんなに大きかったっけ?
 身長が私より高いのは承知だけど、なんて言うか……近すぎてわかってしまう男の人だと言う事実。

 そんな事あんまり思った事なかったんだけどなぁ。
 大きくなったものだ。

 っていかん! 

 そんな感心してる場合じゃぁないのだ。

 チョロ松が机の上を軽く叩き、大丈夫かと確認する。
 その合図にカラ松が同じように下から机を叩いて合図を返した。

 一度大きな深呼吸が部屋に響き、チョロ松の緊張が伝わってくる。

「お待たせしました、準備出来たのでどうぞ。後、荷物が多いんで一緒に運んでもらっていいですか?」

 ━━━━━━━━━━ガチャリ

「くらえ……っ、魔王の手先ー!!!」

「え!? ……ちょ、うわっ」
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