第29章 【番外編】マツノトクエスト 第二十八話
「で、こっちの報告ね。こっちは一応お酒の樽の中に睡眠薬をいっぱいぶち込んでおいたよ! 途中他の人が味見とか言って飲もうとしたからなんとか阻止したけど……もう飲み始めてるのか、それともチョロ松兄さんが来てから飲むのかわからないから用心しないとだけど」
「おお!! でかした二人共!」
「料理にも仕込んでおいたからな、もし飲まないヤツが居ても大丈夫だろう」
「まぁ、もしも何にも手を付けない人がいたら残りは私達が戦うしかないかなぁ」
「先におそ松がなんとかしてくれていれば楽なんだがな」
ああ、そうだ。
おそ松は先に中に入ってるし、お酌勧めたりご飯勧めたりと誘導してくれれば問題ない……けども、料理にも薬が入ってるって知らない辺りがちょっと心配だ。
「とりあえず積もる話は後にして、私とカラ松、トド松は今は盗賊の仲間に扮してる訳だしチョロ松とは別行動だね」
「うん、その方がいいね。って言っても、もう中の盗賊達は寝てるかもしれないけど……迎えも来ないし」
そういえばそうだ。
チョロ松が言うように、もうすぐ宴会が始まると言っていたにも関わらずチョロ松の部屋には誰も訪ねてこないし迎えにも来ない。
もしかしたら上手くいったのかも……?
「ま、様子を見てチョロ松はここに少し待機して……」
━━━━━━━━━━コンコン
「「「「!!!!」」」」
話しの途中、やっぱり早く別行動をすべきだと思ったけどもう遅い。
だけど、また回転扉を使って元の部屋に戻ってケロべロスが起きてるかもしれないと言うのも怖い。
「魔王幹部さん、迎えに来やした」
律儀にも扉を勝手に開ける事はなくノックをして外から声をかける盗賊。
意外としっかりしてる人もいるもんだ。