第27章 【番外編】マツノトクエスト 第二十六話
たちまち天井が光り、雷が降る。
スキルの一つ、輝光のツッコミというやつだろうか?
ハリセンが白く輝き、光属性に変化したのだろう。
しかし残念な事に私の心の迷いが邪魔して敵の目の前にそれは降り注ぐだけで床をただ焦がしただけ。
━━━━━━━━━━グルルルルルルゥ……ガウッガウッ
【 ケロべロスは 怒り状態 に 入った 】
「ひぃぃいぃっ、怒らせたああぁあ!! いやあぁ、こっち来ないで!」
部屋の中にいるこのモンスター、鎖にも何も繋がれていない為すぐ私に飛び掛かってくるがすんでの所で避ける。
動きが早く油断はできない。
壁際まで下がり追いつめられてしまうと、まだ怒り状態でこちらを威嚇する敵は今にももう一度飛び掛かってきそうだ。
「こ、こここ、今度こそ当たってくれぇ! 当たってくれぇえ! 死にたくなぁあああい」
【 ナス子の攻撃 ランダムツッコミを発動 】
これだって結構覚える時にMPポイント使ったし連続で使うと魔力の消耗激しいんだぞ。
けどそんな事思ってる暇も言っている暇もなくブンブンと無我夢中でランダムの攻撃を放つ私。
━━━━━━━━━━ヒュルルル、ポンっ……ボンっ、ボンっ
「は?!」
【 ナス子は ボール を召喚した 】
「え、え?! 何、ボール?! なんでこんな時に……って、あ!」
ランダムツッコミなんて覚えるべきではなかった。
毎回攻撃をする度に思ってしまう。
しかしこのボール、まさかと思ったがケロべロスが興味を示している。
━━━━━━━━━━グルル………
【 ケロべロスは 様子 を伺っている 】
「欲しいの? こここ、これ?」
━━━━━━━━━━ガウッ……グル……ワンっ
「わんって言った!! えぇい、好きにしろぉおおおお! そぉりゃぁ!」