第26章 【番外編】マツノトクエスト 第二十五話
よくもおそ松をいじめてくれたなコノヤロー!
━━━━━━━━━━スパアアアアアアン!!
【 ナス子の攻撃 ナス子は ハリセンを 振り下ろした 】
【 ナス子は 盗賊 を倒した! 】
「うはあ、容赦ねぇー……」
「仲間をいじめた罰です」
「お見事です」
いやー、拍手されたよ。
照れますなぁ。
「話を折ってすみません、盗賊が起きる前に倒さないとと思って」
「いえ、お気になさらず。おほん、話を戻させていただきますが、何年か前よりコチラの盗賊団が私共の王の暗殺を計画していると聞き、本日魔王の手先と手を組むのではと踏んだ私は宴に参加しその情報を持ち帰ろうとしていたのです」
「はぁ~、なるほど」
この人演技凄いな、さっきまでの盗賊だった時と全然雰囲気が違う。
思わず感心しているとおそ松が密偵に手を伸ばし立ち上がらせる。
「そんな畏まらなくたっていいってぇ~、俺勇者だけど別にそこまでご丁寧に扱われたい訳じゃないし! それより何かここの情報知ってんなら教えてよ、俺達も実はクエストでここの盗賊の殲滅と頭領を倒さなきゃいけないんだよね」
よく言うわ、いつも俺は勇者だから敬え~とか調子いい事言う癖に。
ま、冗談で言ってるのはわかるからいいけどね。
それよりも内情を知っている人がいるのは有難い。
その後、私達は盗賊団の情報を全て教えてもらう。
話を聞いていた以上にここの盗賊は酷いやつらで、ヨリミチの村人やその近くを通る旅人を襲うだけでなく、人身売買や他の村を襲い焼き払い、麻薬を王都で売りさばいたりもしている凶悪犯達だった。
「さすが、悪いヤツってとことん悪だよね」
「えぇ、私共の国にもその麻薬の手が入り密かに売られているようで何とかこの盗賊団を倒せないものかと思っていました」
「うんうん、んで! 俺達が丁度よぉく、ここに潜入してたっつーわけね」
納得したおそ松は腕を組み目を瞑りながら頷く。
お互い目的が一緒だった訳だしおそ松の言う通り丁度いい。