第26章 【番外編】マツノトクエスト 第二十五話
そう相手が口にした時、おそ松が立ち上がり私の肩を引き前に立った。
口を拭って、剣を構える。
「あぁ、そうだよ。俺達は伝説のパーティだ。んで俺がその勇者おそ松だってぇの!」
おそ松が剣を構えたまま盗賊に向かってハッキリと言ってしまった。
けどもうこの状態だし倒すしか他なかったと思う。
パンの人はまだ盗賊の中でもマシだと思ってたけど仕方ない。
「━━━━━━━━━━っ!」
「くらえっ」
「まっ……待った!!」
「「え?」」
突然手を前に出され、私やおそ松がその武器を使い攻撃をしようとしていた所で突然待ったがかかり目の前の盗賊が床に膝をついた。
てっきり襲いかかってくるものだと思ったので呆気にとられてしまい私達は床に傅いたその人物を見下ろす事となる。
「……申し訳ありません、勇者様とは露知らず、失礼な真似を」
「は?」
ポカンとした表情のままのおそ松は私の顔を確認して、私も首を捻る。
けど相手はもう交戦する気はないとう言うように武器を手元から投げて両手を前についた。
「私はここより離れた首都、ホエホエ王国の密偵です。こちらの大陸を預かる国の王、ホエホエ王の命により長年勢力を日に日に上げるコチラの盗賊団の見張りをしておりました……」
ホエホエ王国、もうそのネーミングセンスで王様が誰がわかるんですけど。
まぁ、ハタ坊の知り合いを割り当ててるみたいだし居てもおかしくはないか。
ハタスライムもいたし、トト子もいたし、ダヨーンも敵だったけどいたもんね。
「ホエホエ王国ぅ? 力が抜けそうな名前だな~」
おそ松が剣を下ろしたのを見て、私もハリセンを下ろそうと思ったがその前にと先ほど眠らせた盗賊に一撃を食らわせた。