第24章 【番外編】マツノトクエスト 第二十三章
「おい、さっきからお前聞こえてるの気づいてる?」
「え?!」
「ナス子姉の声ボソボソ喋ってるけどこの距離なんだし全部聞こえてるんだけどぉ?」
「フフン!そうかぁ、俺は腕が立つかぁ ハハーン、俺を頼ってくれてもいいんだぜぇ?」
「いや、褒めてるだけじゃないから。イタイとも言われてるし貶されてる所もあるから」
難しい事考えるとたまにブツブツ言っちゃう事あるんだよね。
LIMEとかで職場の人とやりとりする時に自分が打った文章口に出しちゃったりとかさ……。
「たはは……」
「たははじゃねぇよ、どうすんだよ」
「んー、とりあえずカラ松はここに残ってもらって……おそ松かなぁ」
チラリとおそ松を見る。
見られたおそ松は以前だったら絶対に嫌そうな顔をしているのに今のおそ松はニヤリと笑って勝ち誇った顔をして弟二人を見た。
「なははは、やっぱそうだよねぇ! 普通は俺選ぶよねぇ、長男だし! 頼りになるしっ、カッコいいし!! 強いし勇者様だしっ」
「いや、そこまでは言ってないんだけど」
「おそ松兄さん記憶が戻る前と戻ってからだと変わりすぎだよね……」
「ナス子、何故俺はここに残る事に?! 一番頼りになるのはこの俺、カラ松だろ?」
一生懸命考えて、口には出ちゃってたけども。
結果的にカラ松はさっきの理由からもう一人口が回りカラ松をフォローする人物が必要だ。
ションボリしてしまったカラ松の頭をポンポン叩いてやって宥める。
「カラ松、頼ってるからこそ、カラ松にここを任せていくんだよ。ね? ━━━━あ、トド松は」
「うん、わかってるよ。カラ松兄さんのフォローでしょ? しょうがないなぁ、も~」
「そうそう、偉いねぇ末っ子ぉ! わかってるねぇ~! さすが機転の利くトド松っ、よっ! 頼りになるぅ~っ」