第24章 【番外編】マツノトクエスト 第二十三章
わざとらしくおだてて後は任せたとばかりに匙を投げるのだが、そんな私の態度などはもうバレバレのようで呆れた顔をしてハンっと笑われた。
「そうやっておだてて来なくたってちゃんとやるよ、それにおそ松兄さんって盗賊スキルも持ってたよね? それならここのアジトの鍵とかも探して来れないかな、もしかしたら部屋が締まってる場所もあるかもしれないでしょ? おそ松兄さんくらい姑息で貪欲で意地汚ければピッキングくらい出来そうだけど……一応スキルのスリを持ってる訳だし」」
「なっ、酷くなぁい?! 全力で俺の事ディスってね?!」
「まぁまぁ、おそ松。トド松の言う通りなんだから、ね?」
「言う通りってなんだよ!」
おそ松の頭から蒸気が発しているがそこはもう無視だ。
こんな所でずっと4人で丸くなっていては本気で怪しまれると言う物。
おそ松の背を押して私達はキッチンの入り口へと向かう。
「カラ松、トド松、頼んだよ?」
「ああ、わかった。だが本当に気をつけるんだぞ。何かあったら先程のようにはすぐ駆けつけられないからな……」
「大丈夫だってカラ松ぅ、俺が一緒なんだから安心しろよ!」
「だから心配なんじゃないか」
「どゆことぉ!?」
「とにかくー!こっちは任せて。ナス子姉、おそ松兄さんを宜しく」
「そこは逆が良かったなぁ~……トッティ」
「拗ねてないで行くよおそ松!!」
「へーへー」
丁度入り口から出て行くと、何人かの盗賊がやってきてすれ違う。
ペコリとお辞儀をして挨拶をすると通りすがりにポン、ポン、ポンと頭を叩かれて何の儀式かと突っ込みたくなるが、何も言われない所、ただ私の身長が小さいから遊ばれているだけだと理解する。
キッチンに何人かで来たという事はこの人達が料理担当の人かな。
カラ松とトド松、上手くやってくれるといいけど……無事でいてくれますように。
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