第24章 【番外編】マツノトクエスト 第二十三章
「緊張した~………」
「緊張してたのはお前だけじゃないからね! ったく何を漫画みたいな展開してんだよぉ、ビビったわぁ」
「ほんとだよ、まさかナス子姉が女の子の立ち位置で盗賊とフラグを立てるなんて……」
「私だってそんな展開したくなかったし、好きでフラグ立てた訳じゃないんだけど?!」
「だがしかし何事もなかったようで良かったな、安心したぞナス子」
今はフラグがどうの言ってる場合じゃない。
今の盗賊から得た情報だと、って言っても勝手にベラベラ喋ってただけだけども……今夜は宴がある。
という事は━━━━━━━━━━だ。
「今夜全員集まるんじゃねぇの?」
「で、でもそんな大人数が集まれる部屋とかあった?私の見た限りでは少人数が集まる部屋と少しだけ広めな頭領の部屋があるくらいだったし」
「この地図だとそんな大層な部屋はないな、やはり隠し部屋があるという事か……宴の部屋は大方何か大事な会議や隠しておきたい物でも置いているのだろう」
「それなら探さないと。ぼくら、さっきの人や通路の中で盗賊達とすれ違ってもバレなかったって事はやっぱりそれだけの人数がいるって事だよね? 少人数なら顔くらい覚えてても可笑しくない訳だし」
「う、うん。私は新入りかって聞かれたけど」
「顔は覚えてないけどなんとなくはわかるくらいの人数って事かぁ」
「とにかく、今日は宴で、今からあの人達が仕度をするって事はここのキッチンにも本物の料理する人達が集まるって事だよね」
「いっそ倒してしまったらどうだ?」
「いや、ダメだよ。 ぼくら4人じゃ豪勢な料理なんて作れないでしょ」
パスタやうどんで良ければ麺があれば作れます。
冷凍食品があれば電子レンジくれれば温めます、な私。
さっき皆に文句言ったけどおもてなし料理なんて作れる訳もなくトド松の話に頷く。