第24章 【番外編】マツノトクエスト 第二十三章
今度はこの睡眠薬の使い道をカラ松に話し納得してもらいながら、盗賊の数も数えきれていないという事から、もう面倒だから器に入れるよりこの酒樽に全部睡眠薬ぶっこんじゃおうぜ☆と言う話になった。
松野家3人は残念そうな顔はしてたけど終わったら酒屋に行ってヨシの許可を出したのでそこで喜んで了承してもらえたので万事OK。
しかし問題はどうやってこの酒を飲ませるかだ。
もし料理だったとしても、このお酒にしても盗賊達の口の中に入れなければ意味がない。
すると結局はそれぞれの部屋に運び込むという事になり、全員を先に寝かせてアジトの全体が爆睡状態になった所で倒すと言う事になる。
━━━━━━━━━━そんな簡単に成功するのだろうか。
「おっ、お前らなんか美味いもんでも作ってんのかぁ?」
「あ、どもっス」
「ちゃ、ちゃース」
「お疲れ様でぇす」
「ご苦労様です……」
中にまた新たな盗賊が入ってきて棚から硬そうなパンを取り出し大きな口を開けて頬張りながらそこに寄りかかる。
盗賊にその場に居座られてしまった為、一度話し合いは中断して私達は棚を整理するフリをしたり、何かを探すような動作をして誤魔化す。
今の所は怪しまれている気配はないのでホっと溜息をつくのだが、ドキドキと緊張したままパンを食べている盗賊をついつい見てしまい目が合ってしまった。
「あー? なんだよお前ジッと見て。パンが食いたいならそこに入ってるから食やぁいいだろ?」
「あ、あぁ。ありがとうございます」
しどろもどろに答えて目線を逸らし仕方なくお腹は減ってないけどパンに手を伸ばすのだが……棚が高くて届かない。
後ろからムシャムシャした音がするけど視線をビシビシと感じる。
恰好は盗賊の恰好だしバレてはないんだと思うんだけど。
「………………」
他の3人も警戒してくれているのかその場で手はゴソゴソ動かしながらも目だけはコチラに向けてくれている。
「……おい、お前」
「へ?」
パンを取ろうと背伸びをしていた私の背後にドカドカと言う足音が聞こえてきて身体が一気に強張ってしまう。
振り向こうとすると盗賊の手はもう既に私の頭に向かって伸びていて思わず腰に構えたハリセンを握った。