第24章 【番外編】マツノトクエスト　第二十三章

「いや、えっと……？」

「まぁな～、ナス子の料理はその辺の毒よりも効きそうではあるけどさぁ」

「てかさ、お前ら酷くない？　一応食べれる物は作れるからね私」

「「………はぁ」」

　失礼な、本気で失礼な！！
　普段は自炊でパスタにうどんに……あと、パスタとかうどん食べてるし。
　あれ？　マトモなもん作ってなくない？

「………し、仕方ないなぁ。お酒の方が料理よりも倒しやすそうだからそっちの意見で行こう」

「お前今、日頃の自分の作ってるモンにロクなもんがねぇって考えてたろ」

「はぁ？」

「ナス子姉って顔に出るよね」

　そして残念そうに首を振る二人。
　思わず腰に装着しているハリセンを握ってしまいそうになる。

「あっ！　あ、ここ、ここにお酒いっぱいあるよっ、ほら」

　私の思いが通じたようでハリセンが振り下ろされないようにと素早くトド松が奥に行き酒樽を発見した。

「うひょー！　スゲェ大量じゃ～ん、ちょっと味見を……」

「ぼくも～」

「コラコラコラ、飲むのはせめて討伐が終わってからにしてよねぇ」

　酒樽の前で手を擦り合わせて今にもそれに手を出しそうになっていた二人の首根っこを掴み静止させていると床に転がっていた人物が目を擦りながら不機嫌な顔で上体を起こした。

「んぁ～……俺は一体」

「あ、カラ松兄さん起きた？」

「あの量でこの時間って事でだいたい一掬いくらいで20分～30分くらいかな？　それならもう少し多めに盛らないとダメかなぁ？」

「なんの話をしてるんだお前たち………あ、そうだ！　酷いじゃないかトドまぁつ！　さっき俺に飲ませたあれは何だったんだっ」

　大きく伸びをしてカラ松がやっと事態を思い出すとトド松に詰め寄り説明を求める。
　トド松はいつもと変わらずあざと笑顔でへへっと笑いながらもカラ松に先程盗賊が言っていた事と、カラ松に飲ませたものが睡眠薬だった事を告げた。

「なるほどな。という事は俺達も盗賊達に狙われていたという事か……フフン、いつでもかかってくるがいい！　俺が全て蹴散らしてやるっ」

「うん、かかって行くのは俺らだけどな？　んで蹴散らすのはこれからするからな？」

「ん～？」