第24章 【番外編】マツノトクエスト 第二十三章
「これ、村とぼく達を襲う為に用意されたって事だよね。このままだと危ない事になるかも……いつ使うつもりかもわからないし」
「うん、あの人の台詞考えると絶対そうだよね。私達殺されちゃうかも!割っちゃおうか」
「あ、待て待て。勿体ないからちょっと貰ってこうぜ? さっき拾った空き瓶あるし」
「おお、しょっぱいドロップでも役に立ったじゃん」
おそ松が睡眠薬を瓶いっぱいに詰めて蓋を閉める。
しかしカラ松を見てると一口飲んだだけでもパッタリ寝てしまうという事はこれはかなり効き目のある睡眠薬と見た。
「ねぇ、これさ……使えないかな?」
「ん? 使うってなんだよ、まっ、まさかナス子ったら俺らを眠らせてあんな事とかそんな事とかしてくるつもりじゃ━━━━━」
「黙れレジェンド馬鹿。違うよ、そうじゃなくって」
私が言いかけて、早速おそ松の茶々に邪魔されてしまうのだが、すぐにそれを察したズル賢さではきっと№1のトド松が頷いて私の目を見る。
「これを盗賊達に一服盛っちゃおうって事だね、ナス子姉」
「そう、それが言いたかった!」
あまりここで立ち話してても怪しまれると思い、私達は誰もいないキッチン&食糧庫にカラ松を引きずって移動する。
勿論の事、睡眠薬入りの壺はその辺にあった空壺に水を足してダミーとして入れ替えておき、今は私達の手元においてある。
ふぅ、5つ分くらいある壺持ってくるのは結構疲れた。
「交戦するよりもさ、何か差し入れみたいな……それかご飯作ってそれに一服盛っちゃうとかどうかな?」
「うんうん、でもさ……誰が料理するの?」
「━━━━━━━━━━私」
「「…………………」」
自信満々で自分を指さして今度こそ役に立つぞと意気込んでいたのだが、注がれた二人の目は死んでいる。
死んだ魚の目で見らている。
「酒……でよくね?」
「あー、なるほど。酔っ払ってる相手の方が倒しやすいもんね! おそ松兄さん頭いい~」
「え、私の料理は……」
「いーい、ナス子姉! 確かにね、ナス子姉の料理は睡眠薬以上の破壊能力があるよ? もしかしたら睡眠薬を飲ませなくても相手を死に追いやれるかもしれない。でもそれは仮定であって確実じゃないでしょ? もし万が一美味しく出来ちゃったらどうするのさ」