第24章 【番外編】マツノトクエスト 第二十三章
まぁ、そんなこんなで村人から奪った物、きっと旅人から追剥したものも盗賊はかき集めているだろうと考えると宝物庫も探しておきたい。
「ま、先に全部倒しちゃってから探すしかねぇなぁ。あれだよ? でも取り返したら報酬は討伐報酬以外もつけてもらおうぜ?」
「お金に困ってる人達から取り戻すのに更にこっちが持ってちゃったらダメでしょ」
「えー……」
納得のいかないおそ松はこっちの話を半分聞きながら通路においてある壺を調べ回る。
「ん? なんだこれ、水?」
横に一列に並べられたいくつかの壺、その中に液体が入っていた。
おそ松が首を捻るとトド松が近寄って中を一緒に覗き込む。
「水なんてわざわざそんな所に入れないでしょ、カラ松兄さんちょっと口開けてみて」
「口? どうし━━━━━━ふぐぁっ」
鼻血が止まって落ち着いたカラ松が、呼んだトド松に近寄っていくと、トド松は壺の中の水を手で掬い、それをカラ松の口の中に叩き込む。
「えええぇ?!」
「な、何をするんだ! トッ……ティ………すぅ……ぐー……」
【 カラ松 は 眠ってしまった 】
なるほど、これ睡眠薬か。
「相変わらず容赦ないねぇ末っ子~、お兄ちゃん怖いわぁ」
「そうだよ、もしこれが毒薬だったらどうすんのトド松」
「おうっ」
━━━━━━━━━━ビクッ
入口の壺の前でたむろしてるとまた盗賊が近寄って挨拶をしてくる。
この人達すれ違う度に声かけてくるけど何、意外と礼儀正しい部分もある訳!?
さっきの入り口の4人の事思い出すとそうは見えないけども。
「ど、どうもー」
「ああ、なんだ間違えてそこの薬飲んじまったのか? ハハハ、馬鹿なヤツもいたもんだなぁ。それは今度ヨリミチの村の連中と今そこに滞在してるっつー勇者達に使うんだから遊びも程々にしとけよ? 昨日勇者の一味に倒された仲間達の仇もとらにゃいけねぇしなぁ~、俺らに歯向かったらどうなるか、見せつけやろうぜぇ、ぎゃははは!」
ゲラゲラと下品に笑ってそこを通りすぎて行く盗賊の背中を見送る私達。
oh、やっぱり私達が盗賊一味を討伐したのが既に伝わっている。
ここで私達がその一味ってバレたら本気の本気でヤバイ。
その台詞を聞いて、男が見えなくなった後全員が丸くなる。
カラ松は寝てるけど。