第23章 【番外編】マツノトクエスト 第二十二章
おそ松はどこから現れるのかわからない壷を上手に防御に使いながら、まるで翻弄するのをわざと楽しむように戦闘を長引かせている。
その傍でカラ松は相手の猛攻がスゴイけど、どの攻撃ものらりくらりと避けて逆に相手が疲れてしまうような戦い方だ。
この二人、こんな戦い方も出来たのね。
「ナス子姉、大丈夫っ? 何かされたの?」
「あ……ううん、大丈夫……ちょっとケツを揉まれただけで……はは、大袈裟に叫んでごめんっ」
駆けつけてくれたトド松にそう言うと、安心したからか、また少しだけ腕が震えてしまって、それを見たトド松が何やら表情に影を指して立ち上がり、戦っている二人のところへと歩み寄っていく。
「ちょっと! おそ松兄さんカラ松兄さん!! 遊んでないでっ、さっさとぶっ殺してっ!」
「ええ? 本番の前に軽い運動しようと思ったのにぃ」
「いいからっ! あんまり騒いで仲間が駆けつけたらどーすんのっ」
「なるほど、それはそれで面倒だな……では、さっさと終わらすと、するかっ!」
カラ松が宙を舞い、盗賊に蹴り技が決まると、床に倒れた盗賊はピクリとも動かなくなった。
【 カラ松は 盗賊 を倒した! 】
お、あれはさっきスキルで取得した松酔拳のキックか?
早速スキルが役に立ってるみたいだ。
カラ松の片手には早速一本の酒瓶が握られていて若干顔が赤い。
「ふっ……呆気ないな」
それとほぼ同時、おそ松が盗賊の剣を避けながら、脳天に壷をたたき付けると、白目を向いて地面に倒れ、やはり動かなくなる。
【 おそ松 は 盗賊 を倒した! 】
「なんだよぉ、やっぱり雑魚は雑魚だなぁ~経験地もドロップもしょっぱ……ろくなもん持ってねぇしっ、空き瓶って」
【 おそ松は 空き瓶 を手に入れた 】
「まぁ一応持っておくかぁ~……おーい、ナス子、トド松、大丈夫か……っナス子!! 後ろ!!」
「えっ?」
「ちぃっ!」
おそ松が叫び、カラ松がこちらに駆け出してくるよりも早く、私は背後から伸ばされた腕に首を絞められてしまう。
「うっ……!」
「テメぇら……タダじゃすまさねぇぜ……っ女だと思って優しくしてやってたが、ヤメだ! まずはこの女から━━━━━━━━━」