第23章 【番外編】マツノトクエスト 第二十二章
それにしたってアレだ、もう駄目だ、ホントにマジで吐きそう。
心の中ではもう何度も吐いてる。
思わず足元がおぼつかなくなって、その場に立ち止まってしまった。
「ナス子姉……っちょっと、離して、ナス子姉の様子が……」
トド松が何か言っている声が聞こえるけど、頭も回っているようで何を言っているのかよくわからない。
うっぷ、乗り物に乗ってないのに激しい乗り物酔いしてる感じ……これが盗賊酔いというやつかっ……。
よろつく私の身体をこれ幸いとでも言うように、よりベタベタと寄ってくる男達の触れているところが心底気持ち悪い。気持ち悪い!
大事なことなのでry
体感ゲームここまでしなくて良くない?!
今更ながらこれゲームの中なんだよね、リアルすぎる。
自分達で考えた作戦ではあるけどももう現実感が半端ないっていうのかな。
よく出来た作りすぎるからこそ我慢の限界。
一歩間違えたらR18にでもなっちゃうよ、ハタ坊、マジハタ坊殺……
そして次の瞬間、ケツ……お尻を触られ、っていうかほぼ揉まれて途端に我慢していた声を出してしまう。
「っひぎゃ━━━━━━っ!!」
「っナス子姉!?」
思わず大声を上げてしまった私を、トド松が振り返るより早く、
ガシャ━━━━━━━━━━ン!!!
「ぐっほぁあっ……!」
私のケツ……お尻を撫で繰り回していた盗賊の頭に、壷がクリーンヒットして大きな音を立てて割れた。
「なっ、なんだ?! なんで壷っ……え? うわぁっ!!」
茂みから飛び出してきたおそ松とカラ松が、私を掴んでいた盗賊に襲いかかって、あっという間に二人をノックアウトさせる。
【 カラ松は 盗賊 を 倒した! 】
すると、トド松を連れていた盗賊二人が慌ててこちらに襲いかかってきた。
「なっ、なんだテメェら! どっから沸きやがったぁ!」
「雑魚に名乗る名など持ち合わせていないな……!」
「ふざけやがって! ぶっ殺してやらぁ!!」
「いかにも三下の吐きそうな台詞だねぇ」