第23章 【番外編】マツノトクエスト 第二十二章
「あれぇ? お姉ちゃん声出せたんだねぇ、可愛い声してんじゃん」
「っぐぐぐ………あ、ありが、とう、ございます」
さっき、変な事するなってトド松に言われたからせめて普通に返す。
もの凄く吐き気がするし気持ち悪いし、怖い。
「ねぇ、お姉ちゃんあんまり男の人に慣れてないから少しだけ離れてあげてくれないかなぁ? トティ美そっちのお兄さん達とも一緒に歩きたいなぁ~」
「なんだよぉ、トティ美ちゃ~ん! 俺とBがいるんだからそんな事言わないで、3人で仲良~~く、踊ろうよ、なぁ?」
「そうだよぉ、トティ美ちゃんは俺達だけにその舞を見せてくれればいいからさぁ」
「だ、だから近いってばぁ! ……ナス子姉から離れてよ」
あ、ヤバイかも。
いつも自分は知りませんスタンスのトド松だけど、基本六つ子の皆って私が男性に何かされそうになったり関わったりするといつも違う雰囲気に変わってしまう。
今のトド松の最後の声は低く怒ったような声になっていた。
ここは私がなんとか我慢してさっさとおそ松とカラ松の待っている場所に連れていかなければならない。
「大丈夫よ、トティ美。と、吐しゃ物が出そうなくらいハンサム……な、お兄さん達相手だからききき、緊張しちゃうだけで……踊りを見てもらえるのは嬉しいっておもおもも、思うから」
「いや、めっちゃどもってるじゃん」
頑張って演技した、演技したつもりだ。
ちょっと本音入っちゃったけど、この盗賊達はそんなのお構いなしなようでさっきのトド松の言葉も特に気にもしてなくてご機嫌。
「ナス子ちゃんって言うのぉ、俺達ってハンサムだったのかぁ~! いやぁ、そんな緊張する事ぁないよ? 優しく遊んであげるし踊りもちゃんっとこの目で見てあげるよぉ、ぐへっ、ぐへへへ」
━━━━━━━━━━だあああああぁああ、吐くほんっと吐く。
ぐへへって言うなこの変態野郎がっ。
目の前がグワングワンして世界が回っているかのようになってきた。
MP減らされて行く感じ。
けど丁度いい事に、多分この盗賊4人は隠れて私達に何かしようとしている様子で、おそ松やカラ松がいる茂みの方へと進んで行ってくれている。
まぁ、トド松がそっちに行くよう歩いて行こうとしてるから誘導してるようなもんだけど。