第23章 【番外編】マツノトクエスト 第二十二章
「━━━━━━で、どっち行く?」
「俺はやっぱ細い子かな、さっきからあの子しか喋ってないし」
「へへ、俺もトティ美ちゃんだなぁ。舞なんか見るより俺達が舞わせてやるしかないだろ……へへへへへ」
「なんだお前ら皆トティ美ちゃん派? じゃあ俺は仕方ないから我慢してもう一人の女にするか……胸のサイズはトティ美ちゃんよりもあるし」
「俺は最初っからムチっとしてる子の方が好きだしあっちのだんまり姉ちゃんの方がいい、口開かないなら俺がこの身体で開かせてやるからよぉ、ぐへへ」
……………聞こえてますけど。
もう吐きそう、少し顔が隠れる装備を身に着けておいて良かった。
「っち、あんま調子乗ってんなよ……」
盗賊4人には聞こえないくらいの声でトド松が舌打ちをしてポツリとその本音を口に漏らした。
多分私にしか聞こえないくらいの音量だ。
「と、トティ美……ちっちゃい声だけど気づかれたら困るし、が、我慢」
「……はぁ、こうなるのはわかってたけど、ごめん。ナス子姉怖いよね、絶対に守るけど、嫌な思いさせてごめんね」
「今すぐぶっ殺してやりたいけど大丈夫、トティ美……トド松がいてくれるし」
ボソボソと聞こえないよう会話をしていると、盗賊4人は話し合いが終わったようで怪しい笑顔をコチラに向けてまた私達の前に出てくる。
「え、わ……っ! ちょ、ちょっと、乱暴にしないでよっ」
「と、トドま……トティ美っ」
二人づつに分かれ、私とトド松は手を引っ張られて引き放されると、それぞれの盗賊2人に肩や腕を組まれベタベタとひっつき何の遠慮もなく歩かされ始めた。
トティ美は盗賊A・B、私は盗賊C・Dに捕まっている。