第23章 【番外編】マツノトクエスト 第二十二章
「可愛いだなんてそんなぁ、よく言われますけどぉ! でもこんなに男前なお兄さん達に出会ったのは初めてだからトティ美嬉しい~っ」
あざトッティ、ここに健在。
「だははは、男前って言われちまったよ、嬢ちゃん口が上手いねぇ~……それで何人の男を誑かしてきたのやら」
うわぁ、この人絶対にトド松の事エロイ目で見てるよね、きもっち悪。
トド松はそんな視線も気にしないでニコニコしてるけど、凄いなぁ迫真の演技ってやつだ。
「おい、そっちの若いのもこっち来いよ!! 踊り子の姉ちゃん達が舞を披露してくれるってさ!!」
こちらから誘う訳でもなく、残りの二人を呼んでくれる最初に話しかけてくれたエロ盗賊A。
呼ばれた二人も私達が気になっていたのか駆け寄ってニヤニヤしている。
こ、こ、ここここ怖い。
反射的に男性不信が蘇ってきて脈が早まって行くのを感じる。
手に汗までかいちゃって、トド松の手もビッショリさせちゃうし申し訳ない。
「へぇ、君達が舞を披露してくれんの? ふ~ん、姉妹かなにかなのかなぁ?」
「ぐへへ、その服も凄い似合ってるねぇ。いやぁ、細い子も可愛いけど肉付きのいい女の子ってムチっとしてていやらしい感じするよなぁ」
ぐへへって……コイツ一番怖いかも。
言われた言葉に一気に寒気を感じてしまい、鳥肌がたつ。
「……………」
ニッコリしたままのトド松だが、何故かその笑顔に闇が見える気がするのは何でだろう。
やっぱりトド松も演技は上手だけどキモイとは思ってるんだよね、絶対に。
「ちょ、ちょっと待っててな嬢ちゃん達! すこーしだけおじさん達4人で話させてくれよ」
「は~い、あんまり長く話してるとトティ美……我慢出来ないから早くしてね?」
トドま、トティ美の台詞がズキュンと盗賊4人の胸を貫いたらしい。
頬がポッと真っ赤に染まって4人は私達に背中を向けて話し合いを始めてしまった。