第23章 【番外編】マツノトクエスト 第二十二章
多少この恰好に気持ち悪い感じでモジモジしてしまうが、意を決してトド松と一緒に立ち上がりその場を進んでいく。
本当に上手く作戦が成功するのか考えると溜息が出てしまい、それを察したトド松が、私の手を握ってくれた。
緊張したまま視線を上げてトド松と目が合うと、ニッコリと笑って安心させるかのようにキュっと握った手に力を込めてくれる。
「ナス子姉、大丈夫だよ。何かあったらさ、ぼくだって戦えるんだから、ちゃんと守るよ」
「な、なにこんな時だけカッコつけてんの! トティ美のくせにっ」
「へへへ~、この言葉一回言ってみたかったんだよねぇ。相手がナス子姉なのは残念だけど!」
「パーティメンバーに女が私しかいなくてすみませんねぇ」
あ、ちょっと緊張が解れたかもしれない。
私って単純かな?
もしかしたらトド松は私の緊張を解そうとしてくれたとか……。
いやぁ、ドライモンスターがそんな優しい事するかぁ?
なーんて考えている私ではあったが、すぐ近くの茂みから出てきたのでもう盗賊のアジトは目前。
既に私達が歩いて入り口に向かって行く様子を扉の前にいる4人の男性達がジッと見ている。
「なんだ、どうした嬢ちゃん達。こんな所に何か用かい? へへへへ」
扉の前まで来たら早速一人が私達の身体ををジロジロ見ながらニヤついている。
ハッキリ言ってもんの凄く気持ち悪い。
「お兄さん、私達、旅の踊り子なんです~、舞を見せるかわりに、ちょっとした報酬を頂きながら生活してるんですけど、良かったら……私達の踊り、見てくれませんかぁ? きっと満足させられると思うんですよねぇ」
「ん、何話してんだよお前たち、俺も混ぜろよー! 可愛いねぇ、君達。踊り子さんなんだぁ、へぇ~」
また一人と加わり同じように体を舐めまわすように見られるので今すぐにコイツらを討伐してやりたい気持ちになり手がブルブルしてしまうが、繋がれたトド松の手がキツク絞められ止められる。
だって怖いもん、男相手ってだけでも今すぐ倒したいし、もしなにかあったらと思うと過去のトラウマを呼び起こされると言うか。