第23章 【番外編】マツノトクエスト 第二十二章
「大丈夫じゃね? ナス子だし」
「ああ、ナス子だしな」
「色気とか女性らしさがないから全然イケるとぼくも思うけど」
「………なんか理由が納得いかないけど大丈夫ならまぁ、いい、のかなぁ」
若干口元がヒクつくがそう念を押してもらうと安心出来ると言うものだ。
今は可愛い魔法使いの恰好してますけどね!!
「俺の案はどうなんだよ? 隠れて忍び込むってやつ!」
おそ松もトド松の意見には賛成してるけど、自分の意見もまだ曲げてはいなくズズイと前に出てくる。
「おそ松の手はもう昨日使っちゃったから、もしその情報がこっちのアジトにも漏れてたらそこは警戒されちゃってると思うんだよね。それに、昨日は失敗して逆にめっちゃキレられて大変な目にあった訳でしょ? そう考えるとその手は通じない可能性が高いんじゃないかな」
「うんうん、同じ手は何度も通用しないって言うしね。ましてや天井裏や床下に侵入して先に待ち構えられてたら、ぼくら返り討ちに合うだけだと思うんだけど」
「そんな姑息な真似をするくらいなら男らしく」
「「「却下」」」
「く……何故俺の意見はいつも却下されるんだ……フッ、しかしそれもまた一興。反対されればされる程その意見を覆したくなってくるぜ」
「ダメだからね? カラ松は耐久力が高くても私達はそこまで防御ステータス高くないし、もしカラ松が守ってくれたとしても私達3人を守るとなると死んじゃうよ?」
「う”っ……わ、わかった……」
「よし、では君達! 私の爆薬は━━━━━━━━━━」
「それも却下だよナス子姉。だってそれ投げて失敗したらまたキレられて大人数がこっちに向かってくる可能性だってあるでしょ? もしかしたら頭領だけ逃げちゃうかもしれないし」
「んー……いい作戦だと思ったんだけどなぁ」
「ていうか俺らのアイテムに爆薬なんてあったっけ? カラ松の酒は追加で買ったけどそんなん買った覚えないぞ?」
「……今から買いに行く」
「はーい、ナス子の意見はここまでぇ」
「うぐ~」
パッと思いつきで言った私の意見も却下され、結局はトド松の作戦が採用される事となった。
けど思えば盗賊の服だって私達は持っていない訳で、まずは4人倒して追剥をしなくてはならない。