第23章 【番外編】マツノトクエスト 第二十二章
「ここは男らしく正面突破でいくべきだ」
「いやいやいや、そんな事したら返り討ちに合うのが落ちだから、それよりもぼくらも盗賊の恰好して忍び込んだ方が早いよ」
「えー、んなメンド臭い事しないでさぁ、天井裏とか床下とかに忍び込んだ方が良くなぁい?」
「いっそ爆薬買って外から投げまくるとかどうよ! 完璧じゃない?!」
盗賊のアジトを確認し、見張りもいたので少し離れた場所で私達は会議をしている。
もっと早く話し合っておくべきだったなって思ったけどもう遅い。
今はまさに全員の意見が割れて、どうやって中に入るか、倒すかで議論が飛び交っている。
「まず、正面突破はやめない? だってそしたら全員に見つかって一気にこっちに飛び掛かってくるでしょ~カラ松はアイツらの怖さを知らないからそう言えるんだよ、なぁ、ナス子」
「うん、私も正面突破は反対かな。いくら私達のレベルが上がったって言っても推奨Lv27のクエストだし、自分達のレベルより二つ上って事は油断はしない方がいいと思うんだよね。それに頭領のいる本アジトなら何人の手下が隠れているかもわかんないし……」
見つかりにくい茂みの奥、4人で腕を組み効率的な方法を考えているけど、カラ松のは一番危ないので申し訳ないけどそれは出来ないと却下した。
続いてトド松の意見。
「じゃあぼくのはどう? 盗賊の人数が多いと考えると、全員の顔なんて覚えきれないだろうし、ぼくらが紛れて潜入しちゃっても頭領や他のヤツらもそう簡単に疑ったりはしないんじゃない?」
「そうだな、カラ松のに比べりゃマトモっちゃマトモな意見でもあるな」
「うん、それは私もいいと思う。けどここの盗賊って男しかいないから、私は男装してかなきゃいけないよね? ば、バレないかなぁ?」
「「「…………」」」
不安に思って口を開く私を真顔で見る3人。
コイツら何かある毎に真顔になるのは一体なんなの。