第21章 【番外編】マツノトクエスト 第二十章
お爺さんにいらん事を言われたけど、私のスカートはめくられた訳でも覗かれた訳でもない。
という事は、だ。
何かの能力でそれを見たと考えると、その能力は一つしか浮かばない。
「相手の服が透けて見えるスキル……ですね?」
「おお、ほっほっほ。よくぞわかりましたな?」
うん、だってさっきおそ松がそれ買おうとしてたし。
つかアイツまだそのスキル入手の巻物を手に握ったままだし。
「マジで?! 爺さんもそのスキル覚えたのっ? ど、どうなのよ実際使ってみて」
持っていた巻物をギュっと握っておそ松が興奮気味にお爺さんに詰め寄る。
もちろんの事、カラ松とトド松も興味津々だ。
あーあー……男の人って、違うか。コイツらってほんっとーに……しょうもうない。
「んん、数々の冒険者パーティがここにスキルを習いに来ますからねぇ、そりゃぁ中には綺麗でボインでプリプリの女性もいる時もあって……っほっほっほ」
「お爺さん、もうその話はいいですから!!」
やばい、パーティのメンズ共がこのスキル買おうとしてる。
あの目は即購入しますみたいな目だ。
「爺さんこれちょーだい!」
「あ、ずるい! ぼくも、ぼくもっ」
「フフン、いいだろう。この俺カラ松もそのスキルを覚え、数々の迷える子羊たちを救ってやろうではないかぁ」
「人の服の下覗いてどうやって迷える子羊救えるのかわかんないんだけどぉ?!」
3人の背中をを順番にベシン、ベシン、バシィィン!と子気味よく叩いてやる。
こういう時は六つ子が皆同じ身長で良かったなぁ~って思えますなぁ、ふぅ。
「な、何故俺だけ攻撃が激しかったんだ……っ」
そんなのノリでやっただけだ。
カラ松だしね?だってカラ松ってそういう立ち位置でしょ?
だからいつもの癖でつい、手が強くなっちゃって……おほほほ。