第21章 【番外編】マツノトクエスト 第二十章
キラキラ光る石に目を奪われ、物欲しそうに見つめてしまう私。
一応、私だって女ですからこういう光モノに目移りしてしまう事だってあるんですよ。
「あ、これ! このスキルよくね?!」
私が石をマジマジ観察している後ろで、おそ松、カラ松、トド松も違う物に惹かれているようで他の物を物色している。
おそ松は一つの羊皮紙を勝手に広げて、カラ松とトド松に見せに行く。
「相手の服が透けて見えるスキルだってさぁ、俺これに決~めた。元の世界でもこのスキル使えりゃいいのになぁああ」
「なるほど、なんともロマンのあるスキルじゃないか!」
「それってもう、RPGって言うよりエロゲーとかにありそうなスキルだよね? いや、エロゲとかやんないから知らないけど……でもさぁ、ぼくらが戦うのってだいたいモンスターでしょ? しかも一緒にいるのは」
3人の下らない会話を無視して他の商品に目を移して聞こえないフリを決め込む私ではあるが、トド松の言いたい事を理解し背中に伝わる視線を感じとる。
振り返ると、とても残念そうで可哀想な人を見るかのような顔をした3人がいつの間にかコチラを見ていた。
「なに? どうせ色気もナニもありませんよ! ったく、もっとマトモなスキル覚えようとしてよねっ」
「いらっしゃい」
「ぎゃあっ」
突然に自分の腰くらいの位置からしゃがれた声が聞こえて、数センチ程驚きで飛び上がってしまう。
ビックリした、心臓が出そうなくらいビックリしたぁ!
「あぁ、驚かせてしまってすみませんねぇ。いらっしゃいませお客様、本日はどのようなモノをお探しで?」
頭の上には大きなとんがり帽子を被って、長い眉で目が隠れ、これまた長い髭が特徴のとんがり耳のお爺さんが立っている。
着ている服もローブという事はこの人、魔法職かな。
━━━━━━━━━━か、可愛い!!
ホビッ〇とか、エルフとかももしかしてこの世界にいたりして!!