• テキストサイズ

【おそ松さん】マツノトクエスト

第20章 【番外編】マツノトクエスト 第十九章



「わーかったよ! 謝ればいんだろぉ?! 謝ればっ!」

「そうだ、行って来い。謝罪は時間があけばあくほどしにくくなるものだ」

 カラ松の言葉を背に受けながら部屋を出ると、俺が閉める前に中からドアを閉められ、さらに鍵をかける音がする。

「おいっ! なんで中から鍵かけんだよっ」

「二人一緒に戻って来るまで中には入れないから、そのつもりでな」

 ドア越しにそう言われ、恨めし気に軽くドアを蹴ってナス子を探す。
 だけど、どこを探してもナス子の姿が見当たらない。
 仕方なく宿のカウンターに行って、そこにいたマスターに聞いてみる。

「一緒にいた女……ああ、あの子なら掲示板のクエストの張り紙を見て、一人で外へ出て行ったよ、なんか機嫌悪そうだったなぁ」

「は? 外?」

 マジかよっ! アイツ一人でクエストしに出ていったわけ?!
 バカなのっ、あっ、バカだわアイツ!

「夜はアンデット系のモンスターが増えるから、一人じゃ危ないと思ったんだが……」

「どっちの方向行ったとかわかる?」

「確か、西の森がある方角のほうに」

「サンキューっ」

 ホントなに考えてんだか。
 レベルは上がったとは言っても、アイツの武器ハリセンだけだよ?
 よく一人で行こうと思ったよ、むしろ。

 マスターに言われたほうの方角を目指して、俺は宿から出て走り出す。
 万が一なんてことはないとは思うけどね。
 戦闘不能になっても生き返られるし?
 でもさぁ、戦闘不能の状態の奴ってあんまり見てて気持ちのいいもんじゃねぇし。

 つーか、アイツ連れ戻さないと部屋に入れねぇしっ。
 別に心配とかしてないから! 自分の為だからねっ!

 別に誰も何も言っちゃいないのに、俺はそんなことを思いながら森の方を目指してひた走る。
 途中何体かのアンデットに襲われたけど、レベルが上がったおかげかなんのことはない。
/ 353ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp