第19章 【番外編】マツノトクエスト 第十八章
「いやぁ、さっすがカラ松兄さん! ぼくが集めて来たハタスライム50体の攻撃を血反吐吐きながら耐えつつ酔拳で頑張って倒してくれるなんて見直したよ~っ」
「ぅ……ぐほっ、さ、さすがに持って行った薬草も尽きたが、ブラザーの役に立てたなら本望さ……おそ松、回復薬をくれないか」
「お前俺の惨状を見てからものを言えよ? ボロッボロだからね?! HP残り2だからねっ?! あ、やばい、デカイ声だしたらHPまた減りそう……」
「うわー……カラ松ボロボロなのにトド松はピカピカのままとか怖っ……おそ松もカラ松ぐらい私を守って欲しいもんだわぁ~」
おそ松よりはまだ少しはHPが残っている私が代わりにカラ松に回復薬を渡してやる。
ちなみにMPはもうない。
私がランダムハリセンを面白がって使う物だから召喚するMPすらなくなってしまった、勿論おそ松には怒られたが。
何でこんなスキル取るかな?!って説教までされた、おそ松にですよ?!
お姉ちゃん悲しい。
というか……さすが末弟、兄を操縦するのが上手いと感心してしまうが、カラ松は今にも死にかけている。
カラ松が多くの草を貪っている中、トド松がコチラにもらった50000Gを見せつけてニヤリと笑った。
「ま、ぼくには楽勝すぎるクエストだったかなぁ~♪」
「推奨レベル25以上っつっても、ほんの5レベルぐらいだから全然余裕かと思ったら……甘かったなぁ~何度か死に掛けたよ、マジで、今もだけどっ」
「不意をついて盗賊のアジトの天井からツボ落として抹殺するとか、セコい仕掛け方して案外楽勝に倒せるかと思ったら、逆に怒り状態になって仲間呼んで襲い掛かってきたもんね……人間て恐ろしい」
「そうだ、一番怖いのはハタスライムでも魔物でも魔王でもない……人間なんだ……」
「はいはい、そういうのいいから、二人もとっとと回復薬食べて」
トッティ……もうちょっと心配してくれてもっ!
回復薬で傷とか治るっていっても痛いもんは痛いし怖かったもんは怖かったんだぞー!