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【おそ松さん】マツノトクエスト

第19章 【番外編】マツノトクエスト 第十八章



「あー!! 姉さんだぁ、いやったぁあ! 会いたかったあああ!! ドッセェ~イっ」

「オギャァ!!」

 私達が固唾を飲む中、十四松は私を見つけると一目散に犬のように駆け寄り床に私を押し倒すかのような形で抱き着いて来た。

「じゅ、十四松ぅ?! う、嘘、私がわか、わかるの?」

「姉さん!! 会いたかったよ! 元気? 元気だった? ボクはね、スッゲェ元気!!」

「え、もしかして十四松兄さん……覚えてるの? ぼく達の事もわかる?」

 今度は私の体から離れていつもの元気な笑顔でトド松に向き直り、他の皆も見回す。

「わかるよ! トド松に、おそ松兄さん、カラ松兄さん、チョロ松兄さん!! 皆も元気そうで良かったぁ」

「し、しかし十四松、再会出来たのは嬉しいのだが何故お前だけ記憶があるんだ? お前は呪いを受けていないと言うのか」

「この世界に入って何か変な事とか起きなかったの十四松?」

 これは嬉しい事態だと思うけど、カラ松と私は唖然とさせた表情をしたままに口を開く。

「んー……なんかね、黒いモヤモヤがボクの中に入ってこようとしたから、十四松トルネードで吹き飛ばしちゃったぁ、あははは!」

 十四松、呪いまでも跳ね返す男、さすがは十四松。
 しかし私はその言葉を聞いた事、先ほど姉さんと呼ばれ抱き付いてきた十四松を見てウルウルとまたしても涙腺が緩みそうになる。

「十四松、今までどこに行ってたのさ! 会いたかったんだよぉ、どこ探せばいいかもわかんないし、無事で良かった……あと、覚えててくれて嬉じぃ、よぼぼぼ……」

「あわわわわ、泣かないで姉さん! えっと」

 ━━━━━━━━━━ポンッ

 慌てた十四松は、どこで覚えたのかわからない手品のような魔法を放ち、手の中にドングリを出現させる。

「これ、姉さんにあげまッスル!!」

「え、ナニ今のどうやって?!」

「えとね~、企業秘密!」

 記憶のある3人と、ない二人では混乱の内容は違う。
 私達3人は会えた事、呪いが既に解けていた事に安心していたが、得体のわからない十四松の奇抜な登場に動揺して、酒も一気に醒めるおそ松、何故かチョロ松だけは焦ったまま。
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