第16章 【番外編】マツノトクエスト 第十五章
「………フッ……そうかそうかぁ~! 俺はそんなに頼りになってカリスマ的かぁ~! 仕方がないなぁ、そこまで言うのならこのカラ松、喜んでお前達の話に耳を」
「ありがとう! じゃあ、ここじゃなんだから、ぼくたちの部屋にいこっか!」
「え、あ、まだ最後まで」
「嬉しい~ん! さっ、いきましょいきましょお~ん!」
「ナス子姉、その喋り方ヤメテ」
「え」
そうしてカラ松一人を部屋に連れ込むことに成功した私達だった。
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「━━━━━━━で、話しというのは何なんだ? このカラ松に何でも話してみるといい」
部屋の扉をちゃんと閉め、一応鍵もしめる。
スッカリご機嫌のカラ松を目の前にして、あれ、コイツやっぱりチョロいなって思ってしまったのは否めない。
「うん、じゃあ話すね、ぼくたち、カラ松兄さんにかかった呪いを解きたいんだよ」
「うおーい! トッティ! ちょっと急すぎないー?! もうちょっとワンクッションツークッションあってもよかったんじゃないかな?!」
いきなり確信……というか、それが全てなんだけど、しかしなんの前振りもなく突然それを言い出すかトッティ!
ほら、カラ松キョトンとしちゃってる!
「呪い……? そういえば、昨日もそんなことを言っていたな……フッ、俺は呪いになどかかっていない……もちろんかけられた覚えもないし、かけられる理由も思い当たらない」
「だからね、そういう呪いなんだよ。呪われていることにさえ気づけないの。だって別にほおっておくと死んじゃうーとか、そういう呪いではないからね」
「逆にそれは呪いというのか?」
まぁそうなんだよねぇ。
ほおっておいても、別段問題はないっちゃない。
今トド松が言ったように死ぬわけでもないし、ここで生活……生活っていうのかわかんないけど、不自由があるわけでもないし。
でも、やっぱり昔からずっと知ってる顔に、いつまでも他人のように扱われるのは寂しいもん。