第15章 【番外編】マツノトクエスト 第十四章
「ナス子姉、ナス子姉……街に入って宿に入ったらチャンスだからね! 伝説の乙女……ぶっ……らしく兄さん達を誘惑しちゃいなよ!」
「だから悪意を感じるとあれほど……! 笑うなコラっ」
5人の大所帯で街に到着、門をくぐる。
そこは少しウェスタン風の村のようでバーやハットを被った男達が歩いていた。
「ようこそ、ヨリミチの村へ!! 歓迎するぜ、がっはっはっは」
【 勇者おそ松 の パーティは ヨリミチの村 へ到着した】
「名前が適当だよね、この村」
「しっ」
ハットを被った屈強な男性に歓迎されたが、突っ込みが黙ってられないチョロ松が口を開く。
トド松も何か言いたそうだったけどそこはお尻をギュっと抓って黙らせた。
「いったぁ、ぼくまだ何も言ってないのに酷いよぉ!」
「でも今にも何か言いたそうだったでしょうが」
私とトド松のやりとりを見ていた3人が振り向くとおそ松が何かを怪しむような顔をして口を開く。
「なぁ、お前らさ。急に仲良くなってない? 俺の気のせい?」
「「え?」」
そう言われましても、記憶が戻ったのだから一番今接しやすいのはトド松で、つい私もトド松の隣にいる事が多かったかもしれない。
それにトド松自身もずっと私の隣に居てくれてるし、安心させてくれてるのだろう。
しかし、目ざといな勇者よ。
私とトド松は顔を見合わせながら特に動揺もする事もなくおそ松に笑顔を向ける。
「女子トークが出来るのはこのパーティの中ではぼくだけだもん! そりゃナス子ねえさ……ナス子も女の子だし色々積もる話しもあるんでしょ~、ねぇ~ナス子」
「そうそう! 積もりに積もりすぎて雪崩が起きそうなくらいに女子トークしたかったから!!」