第13章 【番外編】マツノトクエスト 第十二章
ここで会ったのは今日が初めてであろう相手の態度を察し、私が何か考えているのではないかと質問してきている。
「引っかかるっていうか、なんて説明すればいいんだろう?!」
「それ僕に聞いちゃう?! さすがに内容もわからないとアドバイスも相談にも乗れないんだけどっ」
いやいや、わかる。わかるよー??
でもさぁ、ここの世界の住人と言うキャラクターにされちゃってるチョロ松達に向かって
実は私は貴方達の幼少期からの幼馴染で私はお姉ちゃんのような存在なんです!
寂しいから今すぐ思い出してくださいコラ!!
とかさ、言えなくない? 言えないよねぇ、普通は。
結局なんと話していいのかわからず、そこは曖昧に返して枝を並べ終える頃、トド松がコチラに向かって走ってきた。
「火はないけどおそ松が石で点けれるってさー、魚釣れたみたいだしもう来るよ」
そのすぐ後ろから満足そうな顔をしたおそ松とカラ松が戻ってくる。
「なんだよぉ、お前ら石で火も起こせないのぉ? ったくしょうがねぇなぁ! ここは勇者おそ松様に任せとけって~、だーっはっはっはっは」
・
・
・
━━━━━━━━━━カチン
━━━━━━━━━━カチン、カチン
既に棒に刺された魚を枝の上に突き刺して火が点くのを待つ。
かれこれ30分程かかっているだろうか、火はまだ着かない。
「っれ~? おっかしいな、村でこうやって点けてるヤツがいたんだけどなぁ」
「やった事ないんかい!」
「いや~、簡単そうだし出来るかと思ったんだけどなぁ?」
「このままじゃ食べ物食べる前に眠くなっちゃうよぉ、今日はいっぱい戦ったし疲れちゃった」
「おそ松、貸してみろ。今度は俺がやってみる」
おそ松がカラ松に石を託して、託されたカラ松は同じ動作をして火を点けようとしている。
「ホゥ━━━━━━アチャ━━━━━━━━━━ッ!!」
━━━━━━━━━━カチン! カチン!!
しかし点かない。
いいのは威勢だけだ。
「困ったなぁ、チョロ松。ファイアーの呪文とか持ってないの?」
「え? あぁ、そっか忘れてた。えーっと本に書いてあったかなぁ」
「おい、忘れるなよ! この俺達の努力なんだった訳ぇ?!」
「仕方ないだろ、石で点けれるって言ったのは勇者おそ松なんだから……あ、これかな?」