第12章 【番外編】マツノトクエスト 第十一章
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「っぐふお!!……おえっ、喉の奥になんか入った! うげっほ、ゴホォっ」
口の中に何かの異物感を感じて眠っていた意識も一気に目が醒める。
多分これはMP薬だ、おそ松が手に握ってるものを千切っていて私の口に突っ込み入れていたらしい。
「起きたか、ったく~倒れる前にMP薬くらい飲んどけよ」
「ナス子!! 良かったあぁ! ぼくすっごーーく心配したんだよっ」
「無事で何よりだ、ナス子。おっとそのまま動くんじゃぁない。 HPやMPが回復したとしても疲れているようだったしな」
「…………」
体が揺ら揺らしてると思うと、カラ松の背中が見える。
その後ろ姿を見て意味なくアホ毛を抜きたい衝動に駆られたが我慢だ我慢。
「カラ松、いいよ! 自分で歩けるからっ」
「大丈夫だ、いくら多少ふくよかさのあるナス子でも俺は忍耐力だけでなく体力も高い、安心して眠っているといい」
「ふくよかって余計なお世話じゃないスかね?!」
カラ松の申し出は有難いが、この状態は先ほどのイケメンに姫抱っこされた時のように恥ずかしい。
まぁ、さっきよりは恥ずかしくはないんだけども。
でもムズ痒いよね、こんなの。
いつの間に、こんなに逞しくなったんだろうって現実世界でも皆の事思ってたばっかだし。
そんな事を思い、結局大人しく甘えてしまう私は横を見る。
すると一歩遅れた所に緑色の魔法使い衣装を着ているチョロ松が一緒について来ていた。