第12章 【番外編】マツノトクエスト 第十一章
「がぼがぼがぼ………」
段々意識が遠のくのがわかって、そのまま意識を失いそうになった時、白い服を着て緑の草みたいな輪っかを頭に被った神様のような男が目の前に出てきた。
私はその男に手をかざされて空気の玉のような物に入れられてしまう。
「っ………アンタ……!」
━━━━━━━━━━ザバァアアア
泉から顔を出し、その姿が残った男達の前に現れた。
私は空気の玉の中で泉に沈められてしまい身動きが出来ない。
抜け出そうともがくけど、クルクルとその中で体が回転してしまって酔いそうだ。
「え……誰?」
「おい、あいつをどこにやったんだよお前!!」
「誰だっ、フーアーユー!!」
突然泉から顔を出した相手に男3人はたじろぐが、逃げ出そうとはしないらしい。
水の中からこもった声が上から聞こえてくる。
「貴方達が落としたのは、この綺麗でボンキュボンな女性ですか? それともゼリーの女性ですか?」
「「「綺麗でボンキュボンなナス子です」」」
おい、お前ら即答に変な事言ってんなよ!!
見直した私の純粋な心を返せコノヤロウ━━━━!!
「どちらもハズれですね、正直者でない君達には………死んでもらいましょう」
「え?!」
「なっ、いきなり出てきて何?!」
「それより本物のナス子はどこにやったんだ!」
カラ松、お前も綺麗な私と答えたのを知っているぞ。
水の中に沈められているとしてもこの耳でしかと聞いていたからな。
それより、私はこの泉にいる男を知っている。
それは、やっと会えた三男……チョロ松だ。
私をこうやって閉じ込めたって事はコイツも皆と同じか。
会えたのに、会いたかったのに……、どうして皆忘れちゃってるの。
親友なのに、寂しいよチョロ松。
私のそんな思いなど届く事はなく、チョロ松の姿は神様のような、泉の精なような物から変わり緑の服を着た魔法使いみたいな恰好に変化した。
上でガシャーンとか、ドカっとかボーンとか音がするけど、戦闘してるんだろうな。
今日の私は完全にお荷物状態だ。
カッコ悪い事この上ない。
ダヨーンから守ってもらってばかりだし、こうやって人質みたいにされるし。
いや、でも手にはハリセンがある。
今召喚すれば何か手伝えるかもしれない。