第12章 【番外編】マツノトクエスト 第十一章
「この水って飲めるのかな? 何も水分とってなかったし少し喉乾いちゃった……」
トド松がゴクリと喉を鳴らす、私も他の二人も同じ考えで一緒に喉を鳴らした。
「味見……してみる? おそ松」
「だからぁ、何で俺なんだよ! トド松が言ったんだからお前が飲んでみればいいだろ?!」
一緒に泉を見るおそ松に味見を進めてトド松は様子を伺う。
見た感じ飲めそうではあるけど……。
「えー、ぼくちょっとお腹弱い方だから誰か先にチャレンジしてくれるとありがたいんだけど……」
「フン、ならば俺が最初に口をつけてやろうじゃないか」
さすがカラ松だ、こういう事に物怖じしない様は尊敬できる。
「魚とかも泳いでないし、イケそうではあるよねぇ」
「そうだな、どれ……」
早速カラ松が一掬い手の中に水を汲み口に含む。
全員が口を開けたままゴクリとカラ松を見た。
「………普通にイケるな、柔らかい感じで湧き水のようだ」
「ほんとー?! やった! じゃあ、ぼくも飲もうっと」
「俺も、俺も!!」
「私も飲む!!」
カラ松の勇気ある行動から安心しておそ松、トド松と水を掬って行く。
「は~……生き返る~! さっきの戦闘で喉もカラッカラだったから丁度いいや! 心なしか元気になってくるような」
「確かに!! この水回復効果とかあんのかね?」
「さぁ、でも水場って毒池や沼じゃなければだいたい回復してくれる場所が多いよね━━━━━ぎゃっ」
━━━━━━━━━━バッシャーン
私も二人と話しながら水を飲もうと手を突っ込むのだが、急に何かの力に引っ張られると泉の中に落とされてしまう。
「ナス子、ちょ、ちょっと何してんの?! さすがに泳がなくっても」
「汗をかいたからと言ってここで水浴びとは……さすがナス子だな」
「でも普通服着たまま入るかぁ?」
違う、そうじゃない。
「ごぼっ………ちょっ、だ、誰……かっ」
「泳ぎ出しちゃったよ……元気だねぇナス子」
違うてぇの!!!
何かの力に引っ張られたまま、泉の下へと引っ張られて行く。
私が溺れている事などコイツらは全く気付きもしないで、視界には呆れた顔の3人が目に入る。