第12章 【番外編】マツノトクエスト 第十一章
「ぐはーっ、死ぬかと思った……さ、サンキューお前ら」
ミミックの唾液でベトベトになったおそ松が助け出され、力なさそうに項垂れている。
HP結構削られてるな、ここは薬草を使うか。
「ほら、おそ松。 食べて」
「はぁ、もうこの味飽きたよぉ~草ばっか食ってるし。他にも何か回復方法とかアイテムありゃいいのになぁ」
言いながら仕方なく薬草をモシャモシャ食べる。
この薬草はまだ初期アイテムの為か、既に一つだけ食べてもHPは全回復しなくなってしまい、何枚かそれを租借しておそ松のHPはMAXへと戻る。
「仕方ないねぇ、ポーションとか手に入ればいいんだけど……錬金術師とかパーティにいたら便利だよね」
「確かに! 俺達のパーティって攻撃系ばっかだしもう少し支援に長けた仲間も欲しい所だなぁ……残りの新品のヤツらの中にそういう職業のヤツがいりゃいいんだけどぉ」
そうだよね、言われてみれば皆攻撃系。
私は召喚を使うけど、意味不明なイケメンが出てくるし、あの6人の役割とか何をするのかわからないし。
元気になったおそ松と私達はまた歩き始めると、一番最奥に辿りつく。
道の途中に宝箱一個でしかもそれがミミックとは運が悪いなぁ。
しかも何も落とさなかったし……。
「お、なんか泉があるぜ?」
「わぁ、人が入ってこないからかキラキラしてて綺麗だね」
「まさに世界の神秘だな、こんなにビューティフルな場所があるなんて……俺の顔もミラーのように映っているし透明度も高いようだ」
そんなカラ松は泉を覗き込みポーズを決めたりクソ顔を決めたりしている。