第12章 【番外編】マツノトクエスト 第十一章
「大丈夫、ナス子? 暗くて見えにくいから気を付けてね」
「うん、トド松も気を付けてって……私がコケそうになった時すかさず手ぇ離さなかった?」
ジトリとトド松を見ると、しりまっせぇ~んと言う顔。
ほんっとこの男は調子いいんだから~。
でも私なんかよりトド松はよっぽど怖がり、というか私はこういう系と言うか薄暗かったりホラー的な場所は嫌いじゃない。
叫ぶし怖がりもするけどワクワクするっていうのかな?
さすがに現実世界で廃墟とかに侵入はしないけど、見るのは好きだしちょっと見てみたいとは思う。
ありがたいのはこのダンジョン、今の所一本道だ。
迷う事なくまっすぐ進める。
「こんな場所があったとはな……二人共気を付けろよ、一本道だからと言って罠がないとは限らない」
カラ松は後ろを歩きながら私達が進む方向をチェックしてくれている。
冒険らしい冒険をやっとしている気がするな。
「あ! 宝箱み~っけ」
おそ松が道の隅に置かれた赤い宝箱を見つけると嬉しそうにそこに走り寄る。
「さぁさぁ、中身はな~にかな! 金とか金になるもんがいいなぁ!」
喜んで両手を擦って重たい蓋を開ける━━━━━━━
【 ミミック が現れた 】
「ギャアアアアアァ、噛まれた!! 痛い痛い痛い! チョ、お前らへーるぷ!」
ダンジョンあるある2、宝箱の中身は宝が入っているとは限らず、その正体はミミックと言う宝箱に扮したモンスターが出る事がある。
「あああ、おそ松が食べられるー!! このっ」
【 ナス子の攻撃 ハリセンで ミミックを叩く 】
━━━━━━━━━━スパアアアアアアアアァン
「あー……気が遠のいてきた」
見るも無残におそ松の上半身は飲み込まれて行く。
私のハリセンも効いてはいるようだけどまだ倒すには足りないようだ。
「待ってろおそ松、今助ける!!」
「も~、しょうがないなぁ」
【 カラマツの攻撃 酒をちゃんぽん して体当たりをかます 】
【トド松の攻撃 ブレイクダンス の足技を披露した】
━━━━━━━━━━ドカァッ
3人が一斉にミミックに攻撃をすると、ミミックは弱りその場で消えて行った。