第12章 【番外編】マツノトクエスト 第十一章
【 勇者おそ松のパーティ は 泉のダンジョン に入った 】
ボロボロの遺跡のような作りの中から迷いに迷ってやっと入り口を見つけた私達。
迷ったお陰で途中に宝箱もいくつか見つけて薬草とMP薬も手に入れた。
さっきのデビルダヨーンの所為かわからないけど、外は散策し放題でモンスター一匹出て来なかったんだよね。
まぁ、あの臭いじゃモンスター同士でも逃げ出すのかもなと思う。
薄暗い入り口を、おそ松・私・トド松・カラ松の順で歩く。
外もボロボロだったけど、中もやっぱり崩れていて足がもつれそうだ。
「地面ボコボコしててヤだなぁ~……う~……」
「もー、トド松歩きにくい! 掴まるならカラ松に掴まってよっ」
「え~、だって掴まるならナス子の方が気持ちいいもん」
「セクハラ男子かお前はぁ」
薄暗いと言ってもその辺の壁も崩れており、たまに外の光が漏れて明るい箇所もある。
先を見ると奥に行けば行くほど暗そうに見えるけど、誰がご丁寧につけてくれたのか松明が壁に備え付けられていた。
「しかし狭いなぁ、転ぶなよ?」
中をキョロキョロと物色していた私におそ松が振り向くと、私の視線はおそ松に向く。
「大丈夫、ちゃんと下見て歩いて━━━うぉっ」
「ほら見た事か」
早速何もないボコボコの地面に躓きそうになるとその腕を取られ転ぶのを死守してくれる。
「あ、ありがとう」
なんだろう、急におそ松が優しくなったような気がする。
記憶は戻ってないのに変な感じだ。
いや記憶が戻る前も私に対して優しかったかと聞かれると素直にうんと言えない感じでもあるんだけど。
でも、おそ松って本当は皮肉とか言ったりもするけどちゃんとしてる時はまぁ、優しいし実はこれでも頼りになる所があるもんね。