第2章 アボカド
「…別に…なにも…」
どう答えていいかわからなかったから、咄嗟に嘘をついてしまった。
「そう、か…」
翔くんは脱力して、ベンチに腰掛けた。
「なに?大野さんがどうかしたの?」
わかってるけど、ここでこう聞かなきゃおかしいし…
何も知らないフリをした。
「いや…おまえがわかってないんなら、いいんだ…」
「なんだよ、それ」
「智くんのプライベートなことだから…」
「…ああ…」
翔くん、知ってたんだ。
大野さんの気持ち…
「ニノに…ちゃんと言っとく…」
「うん…頼むね…」
うつむいてしまった翔くんの後頭をずっと眺めてたら、なんだか切なくなった。
翔くんとニノは、全部知ってて…
大野さんの気持ちを知ってて、ひた隠しにしてきたのかもしれない。
大野さんを傷つけないために。
「はあ…」
打ち上げの続く楽屋に戻っても、ため息しか出なかった。
相変わらずニノと大野さんははしゃいでて。
翔くんは、相葉さんを見るとちょっと気まずそうな顔をしたけど、手をかざしてちょっと頭を下げた。
それを見た相葉さんは俺の方を見た。
少し頷いたら、ホッとした顔をしていた。
翔くんはそのまま席に戻っていった。