第7章 ショコラ scene5
スパゲティーミートソースは、絶対幼児に単独で与えてはいけない。
「とほほ…」
身に沁みた…
ひとりで食べさせてたら、あんなことになるなんて…
「かあさま?」
「じっとしてなさい…」
頭からミートソースを被ってしまった雅紀を、風呂に入れてやっている。
「なんで頭から被るんだ…」
飲み物をあげようとちょっと目を離した隙に、雅紀は頭からスパゲティーの皿を被ってしまった。
「ごめなしゃい…」
普段からミラクルを起こす男ではあったが、中身を乗っ取られてもミラクルを起こすか…
顔にも髪の毛にもべっとりとミートソースが付いてしまって、ウエットティッシュで拭ってもヌルヌルが取れなかった。
だから、風呂に入れるしかなかった…
「はい。お湯を流すからね。耳と目を閉じて」
「あい…」
ぎゅっと耳を押さえて、目を閉じて下を向く。
椅子に座った雅紀の背後から、シャワーで頭の泡を流してやる。
「じゃあ次は、俺が洗うから、湯船入ってて?」
「はあい」
俺の方は損害はないが、部屋着のトレーナーにミートソースがべっとりついてしまっているから、もみ洗いをしなければ。
トレーナーを洗っていると、雅紀が不思議そうな顔で俺を見てる。
「ん?どした?」
「かあさま、それなあに?」